和綿の育て方   
和綿は江戸時代から盛んに栽培された綿。日本の気候風土に適しています。
栽培も比較的容易で強い作物です。気軽に和綿の生育をお楽しみください。 
私は神奈川県の平地で育てているので、ここでの栽培法を紹介します。
  ほとんど独学で栽培していますが、参考になればと紹介します。  

 〇種を蒔く時期 と 前日準備   
 
  ・5月5日の子供の日が目安。

  ・種の周りには綿の繊維が残っていて、油分が水を弾いてしまいます。
   種蒔きの前日から種を水に浸けて、種に水を吸わせます。
   小皿などに水を入れ、そこに種を入れます。プカプカ浮きます。
   何もしないとそのまま朝まで浮いていますので、たまにつついて水に沈めま   しょう。

   
 〇種の蒔き方   
   
   ・綿は背が高くなります。畝は二列蒔きなら60cm程が良いと思います。
   ・30cm~40cmの間隔をあけて種を蒔きます。
   ・光を好むのであまり深くない穴(種の3倍ほどの深さ)で土も少なめにかぶ    せます。
   ・発芽するまでお水をあげましょう(うちは雨のみに任せています)。

         

 〇手入れ
  
  ・発芽まで1~2週間。発芽してから双葉のまま1~2週間。最初は成長がゆ   っくりです。背が高くなる綿なので初めのうちにしっかりと根をはるのだとだ   と思います。足下がしっかりしたら伸びます。心配せず雑草に覆い隠されな   いよう見守りましょう。
  ・背が50㎝以上になったら摘心します。  
          
 
 〇開花
  ・7月中旬以降から少しずつ開花します。白綿は黄色、茶綿は赤い花が咲き   ます。茶綿の花は朝早く咲いてすぐにしおれてしまいます。見たい方は早朝   に畑に行きましょう。
  
                 
                  



 
 〇綿が弾ける
  ・花が萎れて落ちるとそこに小さな種のようなものができます(花芽と勘違い    する人もいます)。それが膨らんで梅干しの種のようになり、弾けて綿となり   ます。
  ・和綿の特徴ですが、地面の方の実から順に、地面に向いて弾けます※1。
   少し小さめで下を向いて弾ける姿はかわいらしく、そのままにしてお飾りとし   たいと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし下を向いて弾けるから、   雨や風で落ちてしまいやすいのです。こまめに収穫してあげましょう。※2
  ・収穫するときに上手に綿だけを収穫すると後々の糸がきれいな糸になりま 
   す。葉や額まで入ってしまうと中々取れず、チクチクとした糸や節になりやす   くなります。
  ・12月頃まで収穫ができると思いますが、後半はふわっとした綿ではなくなる   ことが多いです。
              
             
      
                
 
 〇収穫した綿は

  ・お日様に当てて乾燥させてから保存します。
   収穫してすぐの綿は綿繰り機でやっても繊維が取れにくいです。乾燥するの   を待ってから行うと良いと思います。うちでは来年に蒔くようの種を綿繰りし   たら、あとは昨年以前の綿を綿繰りや繊維をほぐし、糸にしています。 
  〇加工

   収穫した綿はこの後「綿繰り機」で種と繊維を分け、「カーダー(弓打ち)」で   繊維をほぐし、「糸車」で糸にします。この工程はまた別ページで紹介します   (只今作成中)。
   
  〇その他
   ・基本的には病気や虫も付きにくいです。たまに葉巻虫がいますが少しだけ    です。うちは無肥料ですが、肥料を与えている土だと虫も多くなるかもしれ    ません。
   
    その他何かご不明点ありましたら、お気軽にメール下さい。
    種の発送も少量でしたら承ります。
    糸紡ぎのワークショップや綿の成り立ち、ファストファッションを考え直そう    など講座の開催も受け付けています。全国出張も致します。
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 ※1 花屋さんで売っているのは海外の綿が主なので上を向いています。ただ     和綿の種類もかつては50種類以上はあったので上を向いて弾ける種類    もあったかもしれません)。
※2  飾り用なら早めに摘心をして実がついて、一つ二つ弾けたら枝を切り乾     燥させる、もしくは室内で活けておくと上まで弾けるかもしれません(うちで    は切った後も前部ではありませんが弾けました。

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